卵子凍結資料
 

この度会員所属診療施設に対して卵子凍結に関するアンケート調査を実施いたしました。その結果を速報としてご報告いたします。施設担当者の方々にはご協力を頂き、この場を借りて御礼申し上げます。

アンケ―ト内容は、医学的卵子凍結と社会的卵子凍結の実施状況（2021年）を調査するもので、「年間採卵実施回数」、「医学的卵子凍結数」、「社会的卵子凍結数」、「凍結融解卵子による生殖医療」をお聞きしました。
アンケート調査期間は2022年11月1日から7日の7日間にWeb上で実施しました。

東京都内施設では対象69施設中、29施設（42％）より回答を頂きました。東京都以外の道府県の施設では312施設中、65施設（21％）より回答を頂きました。

都内29施設中、25施設が採卵を実施、そのうち17施設（68%）が卵子凍結を実施していました。17施設の合計採卵数は34257で医学的卵子凍結は136件、社会的卵子凍結は1135件を占めていました。

東京都以外の65施設中、63施設が採卵を実施、そのうち39施設（62%）が卵子凍結を実施していました。実施39施設の合計採卵数は22218で医学的卵子凍結は213件、社会的卵子凍結は263件を占めていました。

卵子凍結実施施設数を東京都と都以外で比較しました（資料2）。過半数の施設で卵子凍結が実施されていることがわかりました。社会的卵子凍結の実施の割合は東京都で44％、都以外で33％でした。

卵子凍結実施回数を地域、医学的、社会的に分けて比較したものを資料3、資料4に示します。東京都および都以外で医学的卵子凍結回数より社会的卵子凍結回数が上回り、特に東京で突出していることがわかりました。施設平均の採卵実施回数も同様な結果といえます。

凍結卵子による生殖医療の実施状況は資料5、資料6に示しましたが、東京都では、医学的卵子凍結より、社会的卵子凍結の方が実施の割合が多く、実施施設すべてで妊娠例がありました。都以外では医学的卵子凍結が社会的卵子凍結より実施の割合が高いことがわかりました。

以上速報としてアンケート結果をご報告いたしました。私見ですが、社会的卵子凍結は東京都を代表に都市圏では相当数実施され、一定の成果をだしているようです。今後解析を加え受精着床学会等で公開してまいります。
ご意見やご質問は事務局あてにお願いいたします。ご指導ご鞭撻を賜れれば幸いです。

アンケート担当
副理事長
堤　治

【アンケート内容】

Q1 貴施設の不妊治療（採卵の有無）についてご回答ください。
1. 採卵は実施していない
2. 採卵を実施している

Q2 採卵実施施設において、卵子凍結の実施についてご回答ください。
1. 卵子凍結は実施していない
2. 医学的卵子凍結は実施しているが、社会的卵子凍結は実施していない
3. 社会的卵子凍結は実施しているが、医学的卵子凍結は実施していない
4. 医学的卵子凍結、社会的卵子凍結、両方実施している

Q3-1（卵子凍結実施施設に実施件数をお聞きします。）
2021年の卵子凍結を含む採卵周期数をご記入ください。

Q3-2（卵子凍結実施施設に実施件数をお聞きします。）
2021年の医学的卵子凍結実施周期数をご記入ください。

Q3-3 （卵子凍結実施施設に実施件数をお聞きします。）
2021年の社会的卵子凍結実施周期数をご記入ください。

Q4-1 （医学的卵子凍結実施施設に伺います。）
凍結卵子を用いた生殖補助医療を実施していますか。下記に回答ください。
1. 未実施である
2. 実施しているが妊娠例はまだない
3. 実施して妊娠例（胎囊確認）がある

Q4-2（社会的卵子凍結実施施設に伺います。）
凍結卵子を用いた生殖補助医療を実施していますか。下記に回答ください。
1. 未実施である
2. 実施しているが妊娠例はまだない
3. 実施して妊娠例（胎囊確認）がある

Q5 医学的卵子凍結の範囲ないし社会的卵子凍結についてご意見があれば以下に自由記載お願いします。