日本受精着床学会

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理事長挨拶

大須賀 穣

一般社団法人 日本受精着床学会
理事長
大須賀 穣

 日本受精着床学会の理事長に就任いたしました大須賀穣です。発足以来40年以上の歴史をもつ当会の発展のため尽力してまいりたいと存じます。日本受精着床学会は、1982年に飯塚理八慶応大学教授を発起人代表として、「受精並びに着床に関する研究を推進して、生殖学の発展に寄与し、人類の幸福に貢献する」目的の下に生まれました。翌年の1983年に我が国はじめての体外受精児が誕生しましたので、当会の歴史は我が国の体外受精の歴史と重なっており、その発展に当会は大きく貢献してきました。現在の会員数は2100名を超えておりますが、当会の特徴として産婦人科医は半数程度で残りを胚培養士、検査技師、看護師、農獣医系研究者が占めており、受精着床の研究と診療において学際的・総合的な取り組みを行っております。わが国では今や13~14人に1人が生殖補助医療技術(ART)である体外受精、顕微授精で生まれるようになっており、2022年からはこれらの技術も保険適用となりました。当会の役割は益々重要となっており、その責務を感じております。

 当会の最大の事業として、毎年学術集会をおこなっており、ARTを中心に多くの受精ならびに着床に関する研究成果が発表されます。また、当会としての調査や研究も行っています。近年では新型コロナウイルスのARTへの影響について調査するなど、会員ならびに社会に対して重要な情報を発信しています。他学会や国際的な連携も重視しており国際生殖補助医療モニタリング国際委員会(ICMART)に対しては長年にわたり協力と支援を行っています。会員もしくはその所属施設の学術活動に対しては表彰制度を通して支援し、活性化を図っております。学術誌としては邦文の日本受精着床学会雑誌を発行、さらに他学会との協力のもと英文のReproductive Medicine and Biologyを刊行しております。教育活動にも力を入れており、毎年ART生涯研修コースを開催してARTに携わる医師や胚培養士のレベルアップに努めています。患者さんや社会に向けた公報活動も重視しており会員の所属するART実施施設をホームページに掲載しています。ホームページではさらにARTに関わる知識をQ&A形式として、患者さん目線でわかり易く解説しています。ともにクリニック選びや治療の際の参考にしていただければ幸いです。

 当会は受精着床に関連する学問の発展を社会に役立てることを切に願っております。子どもを希望するすべての人に当会が社会と足並みをそろえて貢献できるように学会運営を行ってまいりたいと存じます。会員の皆様にはご協力賜りますようお願い申し上げますとともに、患者さん、国民の皆様には当会へのご理解を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

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