体内では、卵管に上ってきた精子と、排卵された卵子が、卵管の先端付近で出会い受精します。この過程に問題があり受精できない方が、ARTの対象となります。すなわち、①卵管性不妊症の方が対象となります。②射出運動精子の数が少なく、十分な数が卵管に到達しない男性因子の方も、対象となります。また、③精子に対する抗体(抗精子抗体陽性)のため受精が障害される方、④子宮内膜症で腹水(体の中の液)に受精障害因子がある方も体外受精の対象となります。
体外受精は、体外に取り出した卵子を培養皿の中で精子と出会わせ(媒精)、受精を補助する手段です。よって、精子と卵子の出会いの場所を提供するのみで、受精そのものは卵子と精子の力に委ねられます。通常、体外受精には卵子1個あたり5~10万個の運動精子が必要です。ただし、精子数を満たしていても受精能力が弱い場合は、体外受精ではなく顕微授精法の適応となります。
(2017年7月7日 公開)