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Q9. 卵子、胚の体外培養について教えてください。

 卵子を採卵し、受精させて胚となったものを、子宮に戻すまで体の外で育てる方法が体外培養です。体外培養は通常採卵後から数日間行なわれます。限りなく体内に近い環境を体外に準備した施設が培養室です。培養室には体外培養に必要なさまざまな器具(顕微鏡、クリーンベンチ、培養器、培養皿)や培養液が設置され準備されています(図9)
 卵子や精子は目視できませんので、多くの操作は顕微鏡下で行なっていきます。体内と同じ無菌環境で操作を行う必要がありますので、無菌に近い状態を作るクリーンベンチの中に顕微鏡を設置して卵子や胚を取り扱います。
 受精の確認まで、またその後の胚培養は、培養液を満たした培養皿の中で行なわれます。受精前の卵子、受精後の胚は必要とする栄養素が日々変化していきます。そのため培養液は、卵子や胚の状態に合わせた数種類のものが準備されています。培養液は直接卵子や胚が触れる液であり、受精や胚の発育に影響するため、培養液の質の管理は重要な仕事です。
 胚培養は数日間行なわれるため、卵子や胚は、検鏡、媒精や顕微授精などの操作以外のときは培養器の中に保存しておきます。培養器の酸素や炭酸ガスの濃度は受精や胚培養に影響を与えますので、培養環境を一定の状態に保つことが重要になります。

図9
図9

(2017年7月7日 公開)

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